日本は世界有数の地震多発国です。そのため、病院や研究機関、公的機関では、地震発生時を想定したBCP(事業継続計画)の整備が重要な課題となっています。
地震対策というと建物の耐震化を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実際には建物が大きな被害を受けなくても、医療機器や研究設備、生産設備などが転倒・移動・損傷することで業務や研究活動が停止してしまうケースがあります。 特にMRIやCT、分析装置、精密測定機器などの高額設備は、修理や代替機の手配に時間がかかることも少なくありません。設備被害を最小限に抑えることは、人命や事業の継続だけでなく、社会的な責任を果たすうえでも重要です。

一方で、
といった悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。 この記事では、BCP策定時に押さえておきたい地震対策の考え方と、高額設備を守るための耐震対策・転倒防止対策のポイントを分かりやすく解説します。
地震による事業停止リスクは設備被害から発生する
BCPでは、人員の安否確認や緊急時の連絡体制に注目が集まりがちです。しかし、実際に業務の停止や復旧の長期化を招く要因のひとつが設備被害です。
例えば、建物が使用可能な状態でも、医療機器や研究設備が転倒・破損した場合、診療や研究活動を継続できなくなる可能性があります。 設備によっては修理や部品調達に時間を要するため、BCPの実効性を高めるには、設備を守るための地震対策をあわせて検討することが重要です。
病院・研究機関が抱える特有のリスク
病院や研究機関では、一般的なオフィスとは異なる設備が数多く設置されています。例えば、
などです。
これらの設備は高額であるだけでなく、停止した場合の影響も大きくなります。そのため、機器そのものの価値だけではなく、事業継続への影響も踏まえて対策を検討する必要があります。

BCPにおける地震対策の位置づけ
BCPの地震対策では、次の3つの視点が重要です。
設備対策を後回しにすると、災害後の復旧期間が長引く可能性があります。BCP策定時には、設備の耐震対策や転倒防止対策もあわせて計画しておくことが大切です。

保有設備を整理する
地震対策を検討する際は、まず保有設備の現状を把握することから始めます。 確認したい主な項目は以下の通りです。
設備情報を整理しておくことで、優先順位付けや対策方法の検討が進めやすくなります。

優先的に対策すべき設備を明確にする
よくある悩みのひとつが「どの設備から対策すればよいか分からない」というものです。 その場合は、設備を重要度ごとに分類する方法が有効です。
優先度A
優先度B
優先度C
限られた予算ですべての設備を一度に対策するのは現実的ではありません。まずは優先度の高い設備から着手することで、効果的なBCP対策につながります。
被害シナリオを想定する
設備被害は転倒だけではありません。
地震によって、
などが発生する可能性があります。 設備本体だけでなく周辺環境も含めて確認することで、より実践的な地震対策を検討できます。

高額設備の地震対策では、まず転倒防止対策を検討します。大型設備や高さのある装置が転倒すると、設備の損傷だけでなく周囲の人への危険にもつながります。 BCPの観点からも、震度7クラスの地震を想定した転倒防止対策は重要な取り組みのひとつです。
設備ごとに適した工法は異なります。代表的な方法として、
などがあります。
「対策したい設備は決まっているが、どの方法が適しているか分からない」という場合は、設備重量や重心、設置場所などを踏まえて検討することが大切です。
病院や研究施設では、床への穴あけが難しいケースがあります。例えば
などです。
こうした環境では、アンカー固定が適さない場合があります。
そのような場合の選択肢として注目されているのが「アンカーレス耐震工法」です。 アンカーレス耐震工法とは、通常のアンカー固定やビス止めではなく、耐震マットなどを活用して設備を固定する方法です。床や壁に穴を開けずに施工できるため、施設環境への影響を抑えながら地震対策を進めやすいという特徴があります。

設備本体だけを固定しても、配管や配線が損傷すれば設備を使用できない場合があります。そのため、
なども含めて確認することが重要です。
設備の更新やレイアウト変更によって、以前実施した対策が十分ではなくなることがあります。 BCPの見直しにあわせて耐震対策も定期的に確認することで、継続的なリスク低減につながります。
耐震マットの性能を確認する
耐震マットは見た目だけでは性能差が分かりにくいため、次の点を確認することが重要です。
高額設備を保護する場合は、性能面も含めて比較検討することが大切です。
設備ごとに適した固定方法を選ぶ
設備の重量や形状はさまざまです。既製品で対応できる場合もありますが、設備によってはオーダーメイドの耐震金具が適しているケースもあります。現場状況に応じた提案を受けることで、過不足のない地震対策につながります。

価格だけでなく支援体制も確認する
耐震対策サービスを選ぶ際は、価格だけで判断しないことも重要です。例えば、
なども確認しておくと安心です。

自社で対応できるケース
比較的小規模な設備であれば、自社で対応できる場合もあります。例えば、

専門業者への相談が適しているケース
などは、専門知識を持つ業者へ相談する方が適している場合があります。 設備ごとに適切な耐震対策が異なるためです。

「費用が高そうで進められない」という場合は
地震対策では、「予算が合わず計画が止まってしまった」というケースも少なくありません。
こうした場合は、全設備を一度に対策するのではなく、優先順位に応じて段階的に進める方法もあります。
製品単品購入であれば2,000円から、小規模施工で20万円程度から対応できるケースがあります。対策内容によっては大規模施工となり、500万円程度になる場合もあります。 まずは現状を把握し、どの設備を優先すべきか整理することが重要です。
当社では、設備や施設の状況に応じた地震対策をご提案しています。 一般的な流れは以下の通りです。
無料見積りにも対応していますので、まずは情報収集の段階でもお気軽にご相談ください。

病院や研究機関では、設備ごとに最適な耐震対策が異なります。
このような場合は、まず現状を整理することから始めてみてください。
当社では、アンカーレス耐震工法を含むさまざまな地震対策について、製品選定から現場調査、施工、アフターサポートまで対応しています。全国対応が可能で、病院・研究機関・製造業などへの導入実績もあります。 無料見積りや資料提供も行っていますので、BCP対策の一環として設備の地震リスクを見直したい方は、お気軽にお問い合わせください。
病院や研究機関におけるBCPの地震対策では、人命の安全確保だけでなく、重要設備を守る視点が欠かせません。
まずは設備を整理し、事業継続への影響が大きい設備から優先的に対策を進めることが重要です。
また、地震対策にはアンカー固定だけでなく、穴あけなしで施工できるアンカーレス耐震工法などの選択肢もあります。施設環境や設備条件に応じて適切な方法を選ぶことが、実効性の高いBCPにつながります。
「どの設備から対策すべきか分からない」「現在の耐震対策で十分か確認したい」という場合は、専門家の意見を取り入れることで判断しやすくなるでしょう。